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暁闇のsingerのレビュー・感想・評価

暁闇(2018年製作の映画)
2.6
MOOSIC LAB2018の準グランプリ受賞作品。

なんか、傷口にヒリヒリと染みるような作品でした。
56分という時間の中にあって、少しストーリーの起伏が少ないように感じる部分はありましたが、コウ・ユウカ・サキという3人の中学生の中にある孤独と闇の部分と、暁のように夜が明けていく、そんな仄かな灯火が先に見えてくるような、そんな心情が感じられたのが良かったというか、ちょっと自分も懐かしい気持ちにさせられましたね。

自分も、この作品の主人公のたちのように、デパートの屋上の誰も居ないゲームコーナーで、物思いに耽ていた頃があったなぁと。
あれ、なんだったんでしょうね。
やっぱり、学校でも、自宅でも無く、自分だけの心地よい居場所みたいなものを探してたのかなぁ。

キャスト陣では、やはり主役の3人がとても良かったんですが、
やっぱり1番存在感があったのは、主演の中尾有伽かなぁ。
もう、佇まいから独特の雰囲気を持ってる娘だと思ったし、このまま女優としての道を進んでって欲しいなぁと思える逸材じゃないかと思いました。

今作の音楽を手掛けたのは、カルト的な人気を誇るアーティスト、LOWPOPLTD.。
個人的には、この手のサウンドは結構好みだったので、今回は音楽の部分が個人的には一番響いたなぁ。
ギターロックを幹にしつつ、シューゲイザーやニューウェーブ期を思わせる、浮遊感と、空虚さを感じさせる、乾いた音色がとても印象的な劇伴や、エンディングテーマは、作品の雰囲気にもとても合っていたし、音楽と映像のコンビネーションが、とても優れていたなぁという印象はありましたね。
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