かさま

オオカミの家のかさまのネタバレレビュー・内容・結末

オオカミの家(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ビジュアル的には不気味ではあるが、ストップモーションアニメと聞いて想像していた表現とは全く違う映像で目が離せなかった。
人物の動きや光の移動を壁やセットに直接描くことで表現して立体的な空間の中で2Dアニメをやっているようなやり方もあれば、眼の前で造形物が作成されていく過程そのものが物語の進行に組み込まれていたりして、こんな表現ありなのか、と圧倒された。
オオカミの家はコロニア・ディグニダのプロパガンダ映画という体裁であり、同時上映の「骨」も発見された映画を修繕したものという設定のオリジナル作品で、入れ子構造である。抑圧的な奇妙な世界や妙な儀式は、実態が伺えないカルトの内部とか時代の隔たりとか物理的時代的な壁が間に設定されている。遠くのものを観察しているような感覚だった。こうした設定も監督の意図であるし、カルトも1901年も現実世界の一部ではあるが、入れ子構造ではない映画をこの監督たちが作ったらどうなるのかなと思う。参加してるというアリ・アスターの映画楽しみだな。
クローネンバーグの翌日に観に行って良かった。良い二本立てだったという気になった。
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