ゆきゆき

オオカミの家のゆきゆきのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
3.5
『JUNK HEAD』や『マッドゴッド』など、ストップモーションアニメで地獄を描く作品が続いている気がするが、その中でも断トツに不快感と嫌悪感が襲ってくる映画。

洗脳と虐待から生じる心の中のどす黒さが、壁のシミとなり広がり、家の中を覆いつくしていく。どんなに逃れようとも追ってくる「マリア」という呼び声。お前は外の世界では生きていけない、俺が保護してやらなければならない・・・吐き気がするほどの暴力性を感じます。そしてマリア自身も結局はその呪縛から逃れられない。

これが「コロニア・ディグニダ」という実在したコミューンでの出来事を下敷きにしているという恐ろしさ。そもそもこの作品自体がそのコミューンで制作されたプロパガンダ映像という体で作られているので、精神が不安定な時には見るものではないな、と思います。ただ純粋にストップモーションアニメとしてのクオリティは物凄いです。
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