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オオカミの家のNのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
4.7
これを同じ人間が作っているのかと思うと熱量にゾッとします。
どのシーンも山場で片時も目が離せなかったけれど、やはり冒頭の一つの部屋で次々と進んでいくシークエンスは圧巻でした。壁を侵食していく風景で段々と映画に飲み込まれる。

豚は自分の心の弱さや闇。それに飲まれてしまい結局はオオカミ(本当は逃れたかったもの支配されていたもの)に頼ってしまうという依存的心情を描いているように感じたけれど、一緒に観た友人は親との関係や子を持つということの支配欲やしがらみを強く考えたそう。

正直映像の波に飲まれてずっと放心状態だったけれど、セリフや歌など、耳元で囁かれているような会話にクラクラしてまるで異世界にいるかのようだった。
人の造形がさまざまでアンバランスだったり、崩れかけていたり、色があったりなかったり。とにかく人というものは気持ちが悪いものだと感じさせてられてしまった。
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