お話探し

オオカミの家のお話探しのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
5.0
軽〜く「戦後、南米に逃げたナチが関係してる…らしい」くらいの情報には触れてましたが、本格的な歴史的背景の予習等は、ほぼゼロで鑑賞。結果、事前の知識はその程度でも、『さっぱり分からん!!』というような羽目にはなりませんでした。(後から調べた施設・団体については、恥ずかしながら全く存じませんでした…)

「骨」については、半分は『え〜っ、これは「ファーゴ」的な嘘なんじゃないの〜?』と思ったけど、もう半分は真に受けちゃってました…。こちらも政治的背景がっつり織り込まれていたようですが、何も分からなくても「不気味」「不吉」な導入として十二分に作用しました。

そして本編。手法自体は歴としたストップモーションアニメ…なんだけれど、特に「壁」に描かれた絵の変容。1コマ1コマ前の絵の塗り潰され方が独特で、ほとんど魔術的な事象(それこそアニメーションの根幹、二次元に生命が宿る様子)を目にしているかのよう。更にこちらの空間認識を揺さぶる演出や、全体のトーンの禍々しさと相俟って、上述の通り予備知識ほぼゼロでも『…これ、ベースにある事件、相当ヤバいものなのでは…?』という不穏さは、否応なく伝わってきました。

後半の「部屋の中のシール・ポスター」や、「とある“色”の変化」の捉え方等、まだよく分かってない部分も所々ありますが、衝撃度という意味ではおそらく今年1位かと…!
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