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オオカミの家のエスのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
4.1
な〜にこれ??????
なんて困惑していたら、子供たちが性虐待、処罰や強制労働を強いられる元ナチス党員パウルシェーファー率いる小児性愛カルト団体、コロニアディグニダから脱走したマリアのお話なんだそうで。そこで2匹のこぶたと暮らし、オオカミに怯える生活を送る。しかも視点はオオカミの指導者、つまり自分たちがパウルシェーファー側。映像手法はストップモーション・アニメーションなんだけども、家全体がキャンバスになっており、壁に展開されたと思えば、たちまち立体的になる。世にも珍しく、独創的で、個人的には不気味で終始ゾワゾワが止まらなかった。重く暗いテーマでありながらも童話に落とし込むことで、ファンタジー且つクリエイティブに紡ぐことに成功している。凄まじい。

制作背景も、ワークショップとして公開制作することで資金を調達してたそうなのですが、ストップモーションだからこそ、一眼レフがペンキまみれになっていたのがかっこよかったです。

U-NEXTで知識者たちの解説動画付きで配信してくれていてめちゃくちゃ良心的で勉強になりました。文字通り2回目みるとより興味深かったし、チリの歴史についても調べようと思う。
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