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オオカミの家のみのネタバレレビュー・内容・結末

オオカミの家(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

(新谷和輝)
まだ消化しきれていない過去というんですかね。
独裁時代っていうのは全然。
まだ行方不明者とか普通にいるので。
チリの街中を歩いたら写真とかがその辺に貼ってあったりして。

(土居伸彰)
監督が『ルイス』『ルシア』そしてこの『オオカミの家』で全部「ロールプレイング」という言葉を使っているんですよね。
自分ではない誰かの皮を被ってその人の視点で見えるもの、感じられるものを表現する。
これを作ってる時ってパウル・シェーファーを憑依させている状態で。
基本的にこの作品の視点はパウル・シェーファー、オオカミの視点で語られているものなので加害というか、洗脳者のリアリティもちゃんと分からせてしまうっていうようなところ、洗脳のメソッドみたいなものが自然に入り込んでいるという怖さ(がある)。


■チリ軍事独裁政権のはじまり
1973年9月11日、アウグスト・ピノチェトを指導者にクーデターが起こった。アジェンデ大統領の左派政権を打倒し、その後20年にわたる軍事独裁政権が始まる。

■コロニア・ディグニダ
元ナチス党員で、児童への性的虐待で西ドイツからチリに逃れたキリスト教指導者パウル・シェーファーが率いたカルト・コミューン。

コミューンの住民は洗脳され奴隷のような状態に置かれていた。シェーファーはピノチェト政権にも協力し「コロニア・ディグニア」の敷地を反体制派の収容所(拷問・虐殺場所)として使わせてもいた。
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