ネトフリで見た。嫁はんと見る、綾野剛ウィーク第2弾。セクシーで繊細な綾野剛が拝めるとの触れ込みであった。前、盛岡に住んでいたのでロケ地を懐かしみたいという思いもあった。
見終わった印象は、小説を特に脚色せずそのまま映画にしたので小説のいいところが出ている代わりにわかりにくい箇所も多数で、盛り上がりどころもわかりづらい、というもの。かといって、否かというとそうではなく、役者の魅力は十分に引き出せていて、いい邦画を見ている、と前半は強く感じた。
ただ、とにかく影裏の影たる後半パートがもやぁっとしている。影とはそういうものなのかもしれないが、前半の光がパキっとしていたかというとそうではなく、なんかもやっとした2時間14分だったなと、途中眠くなってしまったなと思う。
絶対に震災がでかいファクターになるんだろなと思ってドキドキしていたら、「事後」にいきなり飛んでしまい、その痛みは特に描写されなかったのももやっとポイントのひとつである。普通に綾野剛は道路で車を飛ばしているし、前半で絡んできた階上のおばあさんも新聞を配ってきただけでその後特に登場せず。そして、4年後、唐突に表れる綾野剛の新しい恋人。
震災によって大勢に残されたモヤモヤを体感してほしいという意図ならば、(そしてそれも原作にあるものだと思うので確かに)正解だとは思う。その割に、綾野剛のブリーフ姿へのフェチズムだけはパキっとしていたな。