サガン

ブラインドスポッティングのサガンのレビュー・感想・評価

ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)
3.9
◆差別とは脳のクセ◆
サックリ95分だし
ヒップホップに合わせた歯切れよいカッティングが小気味よし。

有名な"ルビンの壺"という多義図形をモチーフにして差別問題を投げかける。
壺に見えるか横顔に見えるか。
白地の壺を図として認識すると黒地は地としてしか認識されず、決して2つが同時には見えない。
何かを見た時には、同時に見えなくなっている盲点=Blind spottingもつきまとう。

コリンはもう一つの見方を教われば盲点じゃなくなるんじゃ?と思うが、脳の反応の順序を変えるにはかなりの労力が要るよなー
直感的に盲点があるのは変わらない。
「差別とは脳のクセ」とも言えるわけだ。
差別を無くす最も簡単な方法は、差別の無い世界で差別を見ないで育つことだというパラドックス。

黒人地区で育った白人の自我の危うさ
黒人と白人の友情の難しさ
都市開発で地元の黒人がすごく住みにくくなってる様子とか。
移民はアフリカ系だけじゃなくヒスパニックインド系アジア系中東系と様々なことや。
問題は一辺倒じゃない。
うーむ、これは根が深いわけだわ。
最近の映画でのポリコレLGBTQ批判的人種理論テーマ推しにはお腹いっぱいだったけど、新鮮な切り口で面白かった!

*以前サンフランシスコへ向かうドライブ中ににオークランドで交通事故したのですが、相手は黒人のビジネスマンでヒップホップ感はゼロでした
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