【盲点】
ある事件をきっかけに1年間の保護観察処分を受けたコリンはあと3日で終えるところまで来ていた。
しかしその日の夜、白人警察官による黒人殺害シーンを目撃してしまう。
コリンには自分のことをニガーと呼ばせる白人のマイルズという親友がいる。
「ルビンの壺」を引き合いにだしながら、白人と黒人の外見や偏見、固定観念を丁寧にあぶり出した良作。
数ある差別映画にあるように黒人というだけで暴力的で野蛮だという価値観と戦うコリンの話であるが、かなりコメディ寄りという点は面白い。
ただ、どうせならコリンのこの捕まってしまった原因をもっとライトなものにした方が共感は得られた気がする。というのもその原因が酔った客とのいざこざであり、自分だったら無視するようなことに彼はおこり、しかも一発殴るだけではなくぼこぼこに殴るというまさに「暴力的で野蛮」という概念を具現化した行動をとっているという点が終盤まで小骨のようにひっかかる。
そういう行動をとった上で急に「暴力行為はいけない」という体を示されても共感しろというのはとんで無理な話だった。
(なお、この現場にマイルズもいて、マイケルBジョーダンとクリスエヴァンスかよっていう突っ込みは面白かった)
また男友達特有の信頼とか裏切れないという気持ちとかはよくわかるんだけど、流石に残り3日で終わるタイミングなら自分は家でじっとしてるけどなと思う。
この映画の見どころはやはり終盤に畳みかけるようにやってくる。特にコリンとマイルズの喧嘩のシーンはひとつ見どころで、どちらがより「ニガー」なのかというメッセージは響く。
良作だとは思うが、個人的には4.0はちょっとあげられない。
2020.5.4