Xavier

接吻のXavierのレビュー・感想・評価

接吻(2006年製作の映画)
3.8
究極の愛が行き届いた、衝撃の結末…
坂口は、一家惨殺事件の犯人として自ら
名乗りを上げ、テレビの生中継で自身の逮捕劇を放映させた。そのニュースを見ていたOLの遠藤京子は、坂口がカメラに向かって、微笑んだのを目の当たりにした瞬間、自分たちは同類だと直感する
それまで、孤独と絶望の中で生きてきた彼女は、仕事を辞め無我夢中で事件を調べ始める。そして、裁判にも傍聴に赴いた彼女は、坂口の弁護士である長谷川に
声をかけ坂口への差し入れを申し出る…
ザックリ言うとストーリーはこんな感じ
ふらふらとさまよい、家の玄関を開けようとする坂口の姿から始まるこの作品。
そして、施錠をしてなかった家へと忍び込んだ坂口は、その一家を次々と殺害していく。殺した一家の主人のキャッシュカードでお金をおろした坂口は、防犯カメラを見ながら、坂口は警察に電話を掛ける
"捕まえに来い"と…
この一連の行動からみても、坂口のサイコパスっぷりが解る。
そして、捕まる際の微笑み…
そら恐ろしかった…

その微笑みに魅了された京子は、彼の事を調べ、そして思う。
"自分と同じだ"と…

坂口を演じる豊川悦司のサイコっぷりは怖かったなぁ。一家を惨殺した後、公園でふらつく坂口の足元に近くで遊んでいた男の子のボールが転がって来て、それを男の子が取りに来るんだけど、その時その男の子にハンマーを振り下ろそうとするんだよね。何気に怖かったな。
そう、作品の途中までは…

作品の中盤からは、京子を演じる小池栄子の独壇場だった。
頼まれたら断れない、人の押しに弱い感じしかしなかった京子のイメージが変わっていくのは、坂口にのめりこんでから
ただ坂口の事を調べるために、仕事もあっさりと辞め、手紙のやり取りが始まると、拘置所近くにアパートを借り、いつでも面会が出来る体制を作っていく。
そう、坂口の微笑みに魅了されてからは
彼女の人生は坂口を中心に回っていく

その様は、まさにストーカー…
坂口の事で記者に追いかけ回された時ですら、笑みを浮かべる。
その姿が怖いんだよね。
坂口とは嬉々として話すが、長谷川と話す時は、どこを見ているのか、心ここにあらずって感じだしね
そして思った

"坂口よりヤバいんじゃ"と

そして衝撃のラストへと進んでいく…

京子のうちに秘めた狂気が凄いんだよね
"屋敷女"のベアトリス・ダルや"ポッゼション"のイザベル・アジャーニーのような表に出た狂気も怖いけど、京子の狂気もなかなかのものだったなぁ…
Xavier

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