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接吻のbのネタバレレビュー・内容・結末

接吻(2006年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

『接吻』

一家惨殺を犯した犯人、その逮捕のニュース映像を見て彼に感情移入した女性、事件の担当弁護士の三角関係の話。

殺人鬼に感情移入した女性を演じる小池栄子の怪演が黒光りする。
非常に文学的な匂いのする作品でキャラクターの心理を今一量り切れていないため咀嚼しきれていない。

小池栄子の台詞に
「運が悪いって何なんだろうってよく考えるです。
生まれ育った環境の事を言ってるんじゃないんです。
自分ではどうしょうもない所で周りの人が勝手に判断して勝手に扱われる、その理由がどうしても分からない、その理不尽さにやり場のない怒りを感じるんです。」というものがある。この台詞に関してはとても共感できる。
 
世の中で一番残酷なことは他者に対する自分勝手な感情やイメージを押し付けることだと思う。勝手に分かった気になって勝手にそう扱う。雑なカテゴライズ。

弁護士の長谷川は殺人犯の坂口を「傲慢で他人を見下した自分勝手な気持ち」と糾弾した、それはそんな発言をする彼自身ののことではないか?

理解出来たのはこの辺りまで。

ラストの面会辺りからはかなり理解し難いことの連続だった

なぜ小池栄子はトヨエツを刺殺したのか?
トヨエツの「君は僕じゃないんだ」が決め手となり彼女に刺殺させるに至ったのか?

タイトルの「接吻」の意味
ラストの「接吻」の意味 
どうしよう全然分からない

結局彼女も一方的な愛情を押し付けてしまったという意味か?
相互不理解、絶対的な他者がテーマなのか?
釈然としない。釈然としないけど面白かった。
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