青野姦太郎

怪猫呪いの壁の青野姦太郎のレビュー・感想・評価

怪猫呪いの壁(1958年製作の映画)
3.8
白塗り時代の勝新太郎が主演の化け猫映画だが、実はけっこう手のかかったことをしていて悪くない。特撮ではなく美術や照明によって強引にお化け屋敷を作り出しているのだが、そのアナログ的な手作り感が時代劇の雰囲気と合っている。恐らくは撮影の相坂操一のアイデアだと思われるが、『めまい』とほとんど同時期に被写体ごとドリーバックすることで同様の恐怖効果を作り出していることにも驚いた。
村田知英子演じるお局が化け猫美少年(男装した近藤美恵子)の誘惑に乗って自ら性の手ほどきを試み、その結果罠にかかっていくところなんか熟女の悲しき性欲みたいなものが出ていて愛さずにはいられない。