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ドキュメンタリー映画 岡本太郎の沖縄のaymmのレビュー・感想・評価

4.0
今更ですが今年の映画初めは、沖縄の桜坂劇場で観た本作でした。

このポスターの女性、どういう表情に見えますか?

私には鋭い眼差しながらも、優しい表情に見えました。
しかし、沖縄出身の夫には見透かされているような厳しい表情に見えたそう。

この女性は、久高ノロ。
1914年以前から代々伝わる、「イザイホー」と呼ばれる儀式でシャーマンの役割を担う人物。
「イザイホー」とは、久高島生まれの30〜41歳の既婚女性が12年に一度、神女になるために行う通過儀礼のようなもの。

信心深く、厳しい人だったと彼女の孫や親戚が語る。
この写真は、取材を断ることもある彼女の笑顔を、唯一岡本太郎が撮ることの出来た貴重な物なんだとか。

ノロの親戚による当時の話や、実際の映像から尋常ではない彼女たちの信仰心やその神聖さを感じる。
そう感じるのは私が沖縄の歴史についてまだまだ無知だからだろう。
ゆえに夫とも捉え方が違う。
現地の人々にとって伝統継承とは、彼らの命の源を次の世代へと繋いでいくものであり、それが日々の自然な流れのひとつだったのだと感じさせられた。

本作を観たことが、先日観た「洗骨」に深く感銘を受けた一因でもあると思う。

もっと沖縄について知りたいと思えた一作でした。
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