mura

ドキュメンタリー映画 岡本太郎の沖縄のmuraのレビュー・感想・評価

4.0
チラシの写真は岡本太郎が撮影した久高島のノロ。久高島…神の島。離島ファンとして絶対はずせないところと思い、ここのところ旅行の候補にあげてはいるけれど…

民俗学を学び、日本人のアイデンティティを探し求めた岡本太郎が最後にたどり着いたのが沖縄。1959年、1966年と2度にわたり沖縄を訪れ、『沖縄文化論』という紀行文をのこした。その紀行文をたよりに、岡本太郎のみた沖縄を追ったドキュメンタリー。

あっちに行ったりこっちに行ったりとまとまらない感じはあるけれど、未知の沖縄が随所に登場し、確かにおもしろい。

中心となるのは久高島。岡本が撮影したノロのことが語られる。また、イザイホーという島の女たちが中心となる奇祭の映像が出てくる。これが本当におもしろい。

ところがこの祭りはもうない。450年続いて途絶えた。そしてノロももういない。つまり、岡本太郎がみた沖縄はもうないということ。現実が突きつけられる。

一方で受け継がれているものも確かにある。映画はそれも描くが…やはり目はなくなったものに向けられる。伝統なんてあっという間に潰えるんだということを見せつけられる。

それにしても、夏が近づくととにかく島に渡りたくなる。夏を迎えるまえにいい映画を見たなと。
mura

mura