ポンコツ娘萌え萌え同盟

サロン・キティ/ナチ女秘密警察 SEX親衛隊のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

3.7
ナチス時代の高級娼館サロン・キティを舞台にしたエロスドラマ。ナチ女の親衛隊が娼婦の皮を被りナチスの高官や将校の情報収集を行う。
一応肌身も多いしおっぱいもいっぱいだし、表向き退廃的なポルノ映画ではあるけど、正直全く抜けない。
序盤のナチ女が全裸で整列するシーンは雑なぼかし合わさってバカ笑ったけど。
それに、マルガリータ役のテレサ・アン・サヴォイがめちゃめちゃ美人なのは間違えない。
とはいえ洋ピン作品では今のところ一番好みの作品。

実際の内容はナチズム、愛と欺瞞、ただ何より個を浮き彫りにした作品だと思った。
バレンベルグ自体は完全悪ではある一方で彼の終盤の台詞はあるように、ナチズムを映した作品なのに、正反対に本作の展開は忠誠を誓った"国家のため"─ナチズムは崩壊し、この主義は幻想である。一種のナチズム批判の作品だ。

映像面ではエロチックよりもむしろ演出面の方が記憶に残る。サロン・キティでシャッター音とともにカラーから白黒に移り変わる演出が1シーンとしては印象的。
他にも戦争の映像合成から、女の肢体をスクリーンにヒトラーの演説の映像を映したりとそれなりに印象深い演出もあり。
ただそれ以上に本全体的に多い鏡の描写こそ本作の演出の肝ではないだろうか。鏡を通してキャラクターを何重かに映したり、鏡で映ているのを見せるショットが所々にあり間違えなく印象的なアイテムだった。