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死が二人を別つまでの白のレビュー・感想・評価

死が二人を別つまで(1979年製作の映画)
4.5
西ドイツと対称的に女性の社会進出が進んでいた東ドイツだからこそ、こうしたドメスティックな日常問題が面白い。
また西側の映画では基本物語は個人の伝記、心理的な部分へと落とし込まれる一方で、東側はそうしたものは表立たない。それでもこの映画は社会的ドグマを押し出さずに、個人のドラマに焦点を当てているのが特異。
更に映画が国策としてあった東ドイツにおいて、不必要に裸を見せるのが特徴的。でもそれはポルノ的な隠美なエロスではなくて、東ドイツのヌーディズムや俳優の身体性をある種の自然さとして提示している。
カーロウはメロドラマから社会を見透かす映画のフィクション性に自覚的だな。東ドイツの社会不適合者を描く一方で、彼は多分「頑張ったら夢が叶う」のような情熱が好きだと思う。
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