とむ

ウィーアーリトルゾンビーズのとむのレビュー・感想・評価

4.8
全世界を斜に構えて観てる。
ポップでシニカルで低温な園子温(愛のむきだしの頃くらいの)みたい。
マジメに見ちゃあ、この世界はちょっこし生きづらいでしょうと。
そんなカントクの感性がたまらなく好きだ。


親が死んだのに悲しくないとか、
味しないけど腹減るから食べるとか、
クソヤローのオヤジだけど、殴り合いの喧嘩したあと普通に喋っちゃう間柄だとか、
あとは勝手に周りが発情するクソ男どもばっかりだとか。

そういう「正しくなさ」を全肯定してくれるような映画には文句なしでノックアウトを喰らってしまうんですよね。
「両親死んだら泣かなきゃいけねーのかよ」
みたいな。
「べつにウチら、悪くねーじゃん」
みたいな。
「ウチらを悪いっていうオマエら社会が悪い」
みたいな。
自分勝手万歳ですよ。


「そうして私たちはプールに金魚を、」の時みたく、映像的なキレも抜群で。
それだけでこの映画を観た価値があるなぁと思えてしまう、そんな気迫の映像なんですよね。
ちょっとした映像的な伏線が後になって生きてくるとか、そういうの映画好きな馬鹿どもなら絶対響くでしょ。
個人的にレシート筒にして吸った時のあの台詞、サイコーです。


わかってるんだけど、
こんなこと言ったらあの4人に「ダッサ」って言われるのわかってるんだけど、
でも言っちゃう。

この映画「エモい」
とむ

とむ