Shin

ウィーアーリトルゾンビーズのShinのレビュー・感想・評価

4.8
先日観た『僕はイエス様が嫌い』の奥山監督に引き続き、青学出身の長久監督の長編デビュー作に衝撃を受けました。

普段は割愛していますが、今回はあらすじも書きます。(フィルマのあらすじが・・)

ヒカリは13才の男の子。
両親が不慮の事故で亡くなり、一人残されてしまう。
しかし、偶然にも火葬場で出会った、同じような境遇にある、イシ、タケ、イクコと友達になる。
彼らもまた、事故や事件によって両親を失ったのであった。
ヒカリは仲間とともに、感情を取り戻すべく、冒険の旅に出る。
そして『リトルゾンビーズ』という、バンドを結成し、社会現象を巻き起こしていくのであったが・・・

本作は自称、超音楽冒険RPGムービーとなってはいますが。
たっぷりの皮肉と、エモさがハンパなく、鑑賞後しばらくたっても、『リトルゾンビーズ』のことが頭から離れません。

感情を失ったキャラクターを表すかのような棒読みの台詞。
現代社会の問題をあざ笑うかのような、ユーモアと皮肉たっぷりの描写の数々。
ロールプレイングゲームのような怒涛の音楽とあざやかな映像表現。

賛否両論あると思いますが、インパクトが凄まじく、忘れられない作品になることは間違いないです。
ただヘンに感動とかを期待してはダメですよ。(笑)

しかし、長編デビュー作にもかかわらず、このイヤになる程の豪華な俳優の出演は何なんでしょう。(笑)
チョイ役でも永瀬正敏、菊地凛子、渋川清彦など、挙げたらキリがありません。

やはり監督の才能と、電通のパワーを思い知らされます。

サンダンス映画祭とベルリン国際映画祭で二冠なんですから、もっと日本でも評価されるべきです。

TOHOシネマズのサービスデイである14日(金)に行ったのですが、客席は寂しいかぎりでした。
初日が大事なだけに残念です。(初日の動員で、今後の上映日数や館数が決まります)

エンドロールは最後まで観て下さいね。

※監督のトークより
この映画を作るきっかけは、若者の自殺が増えていることを憂いてのこと。

悲惨な現実に直面した時、正面から受け止めずに逃げてもいいんだよ、ということを伝えたいそうです。
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