けんたろう

チベット ケサル大王伝 最後の語り部たちのけんたろうのレビュー・感想・評価

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日本人のほとんどが知らないような話

これは興味深い。
これまでチベットと聞いたら、チベット自治区、ダライ・ラマ、焼身自殺、そんなイメージしか浮かばなかった。

しかしチベットは実は自治区だけじゃなく、東チベットと呼ばれる地域もあり、自治区も含めてチベットは3つに分けられるという。
さらにその3つとも言語が違って…

ということでめちゃくちゃ面白いぞこれ❗️❗️❗️
全く知らなかったわー。



そのチベットで語られるケサル大王伝。
放牧文化の中で生きる語り部文化だが、国(省?)による復興と開発によってたくさんの人たちが山を下りてきて…
つまり映画に出てくる彼らは"最後の"語り部たち、ということのようだ。

この映画のオープニングに使われたタイトルの文字もまた、この映画を表すのにちょうどいい。
ブロック体や明朝体といったデジタル文字にはなにか決定的に足りないものがある。
ケサル大王伝における、"語り"以外のものもまた同じく足りないものがあるに違いない。

しかし語り部は滅ぶ。それでもケサル大王伝は残さなければいけないから、結果としてケサル大王伝は本になった。



話は変わるが、アナログからデジタルに変換する時には失われる情報があるという。

スマホを使って、こうやってレビュー投稿してる自分が言うのもなんだが、文化というものだけはデジタルに変換されてほしくないものだ。