これは好き。
蜷川監督特有の、ショッキングピンクを主とした色彩が持つ説得力。しかも今作では"陰と陽"のコントラストもきいて。
終盤、（演技という意味においては）宮沢りえさんが全部持っていってしまうのだけれども、そこに絡んでくる"陰"の映像、ブルー主体の色彩がなんとも美しい。もう胸を締め付けてくるくらいに。
そして、、
クライマックスに至っては、「もう好きにしてください、お任せしますので、、」と、言わされんばかりの圧倒的なグラフィックと音力が織りなす映像世界。
しかも、ともすれば主人公・太宰に貼り付きがちな"憂い"や"刹那"を、残酷なまでに引っぺがして笑い飛ばした挙句、全く別のキャラクターに纏わせるという、大胆さ。
こんな映画、きっと男性には撮れないんだろうな。。ややもすると、ヒステリックなまでに男女平等の世界観を求められがちな現代の映画界。
それだけに、、今作にみられるような"母性の力強さ"にフォーカスした作風は、ある意味痛快とも言える。
