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ロボット2.0のtheocatsのネタバレレビュー・内容・結末

ロボット2.0(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレ
電磁波有害説を一蹴する産業側映画ではない

携帯電話基地局や電波塔、そして個人所有の携帯電話が発する有害電磁波により鳥たちが異常行動をとり結果的に大量死。その危険性を唱える生物学者の関係当局への訴えは何ら顧みられず、悲嘆にくれた学者は電波塔で首つり自殺。
そして、彼の怨霊が巨大な磁力を帯び数万数百万の携帯電話を引き付け巨大ロボット化。
彼の陳情を蔑ろにした携帯電話産業幹部や政府関係者、そして一般ユーザーを大虐殺しようと悪の限りを尽くす・・・
それに立ち向かうのがスーパースター・ラジニーカント扮する博士が作ったロボットたち。というのが物語の骨子。

電力スマートメーター化や携帯5G化に際し、有害性が取り沙汰されるいわゆる「電磁波有害論」が一頃ネットで騒がれたが、この映画はその陰謀論を悪質なデマと見立て、嘲笑粉砕し「電磁波安全論」をぶち上げる産業側プロパガンダなんだろうなと胸糞悪い気分でいたが、最終的にはどっちともつかず「鳥たちも大切にしよう」という無難なメッセージに終わってしまった感あり。

映画としては多用されたCGがわさわさ煩く目障り。
一昔前のマサラムービー的はじけるようなゴージャスさもなく、一言で言えば面白くはない。
しかし、市井に跋扈し過ぎた携帯電話の弊害をほぼ知らしめ、陰謀論として産業側がもみ消そうとしている電磁波有害論も鳥の狂乱化と大量死という説を中心にかなり詳しく描写する等、相当真面目に取り組んだのは間違いない。

とはいえ、結末は玉虫色にせざるを得なかったのは通信産業への配慮もあったからだろうと推察される。

映画的面白味は薄くても、日々使っているスマホのネガ面に注意を向けてくれたら意義はあったことになるだろう。

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