WOWOW録画鑑賞
W座
新年一発目はこの名作を鑑賞。
第二次界大戦末期のドイツ国内を舞台に1人の少年ジョジョの自我の確立を描いたコメディ・人間ドラマ。
これは名作の仲間入りですね‼️
アカデミー賞6部門ノミネート(作品・助演女優、脚色・編集・美術・衣装デザイン賞)
脚色賞受賞。
2019年米作品
監督・脚本 タイカ・ワイティティ
原作 クリスティン・ルーネンズ
『Caging Skies』
音楽 マイケル・ジアッキノ
出演 ローマン・グリフィン・ディヴィス トーマシン・マッケンジー スカーレット・ヨハンソン タイカ・ワイティティ サム・ロックウェル レベル・ウィルソン アルフィー・アレン アーチー・イェーツ
第二次界大戦末期のドイツのある街。
母ロージー(ヨハンソン)と2人暮らしの少年“ジョジョ"ことヨハネス・ベッツラー(ディヴィス)。
友達は、空想の世界のアドルフ・ヒトラー(ワイティティ)と、現実世界の、でぶっちょの親友ヨーキー(イェーツ)。
ヒトラー・ユーゲント(青少年団)の軍事教練キャンプに意気揚々と参加するが、ウサギを殺すことが出来ず“ジョジョ・ラビット”という不名誉なアダ名を付けられる。手榴弾の投擲訓練の事故で大怪我し、退院するが自宅に引き籠る。
それを見かねた母ロージーはユーゲントの責任者クレンツェンドルフ大尉(ロックウェル)の元で仕事の手伝いをさせようと連れて行く。
大尉以下副官ファンケル(アレン)、下品な女性フロイライン・ラーム(ウィルソン)などがいる事務所で、大尉から下働きとしてポスター貼りを手伝うラビットだが、ある日自宅2階の屋根裏にユダヤ人少女エルサ・コール(マッケンジー)が隠れていることを知る。
ユダヤ人を匿うことはナチスやヒトラー・ユーゲントの意に背くこと、ゲシュタポに逮捕される事、しかし母ロージーが匿った事で彼は苦悩するが・・・
実写フイルムでヒトラー総統、彼に心酔するヒトラー・ユーゲントの少年少女たちの姿と、バックに流れるビートルズの独語版「抱きしめたい(I wanna hold your hand)」が奇妙にマッチしてオープニングから引き込まれる。
以下、ネタバレあり
ジョジョのイマジナリー・フレンドとしてナチス総統ヒトラーとの会話がシュール。
ナチスの教義やヒトラーの子供としての思想・思考はヒトラーやヒトラー・ユーゲントの教練キャンプで示され、ジョジョもその教えに忠実に従う子供として描かれる。
ジョジョとその友達"ヒトラー”と時にコミカルに、時にシリアスな会話が綴られる。
途中からジョジョのユダヤ人への意識、ナチスへの想いが変化して行く。
街中は、戦争末期の風景を捉える。
広場に反逆者として吊るされる男女。それを見かねたジョジョにロージーは"しっかり見るのよ”と記憶に刻む様ジョジョと立ち尽くすシーンはジョジョと一緒に観客の心に刻まれる。
ジョジョの父親は出征して音信不通。ある晩、母ロージーが父の軍服を纏い、暖炉の炭を顔に塗りつけて父親になりきり、ジョジョに話しかけるシーンはスカヨハが父親に見える熱演。
母子2人で散歩に行った帰り道、
緩んだジョジョの靴紐を締めてやる母。
土手を歩く母が舞う様に踊り彼女の靴のアップ。
自転車で走る2人を追い越す負傷兵を載せたトラックが追い越す。
生気の無い目で2人を見つめる負傷兵達にロージーが声をかける。
"帰ったらママを抱きしめて!“
ある日、街中を歩くジョジョが蝶を追いかけ広場で見つけたのは・・・
母を抱きしめ靴紐を締めてあげるジョジョに涙が溢れる。
もう既にジョジョは、忌み嫌うユダヤ人では無く、愛する女性としてエルサに接する。
最後のソ連軍、米軍の攻撃で老人・少年も駆り出される防戦シーン。
親友ヨーキーも戦闘へ駆り出され、ロケット弾が暴発し、周りの兵士が倒れ、砲撃で街が破壊される。倒れるヨーキー。逃げ惑うジョジョ。
ローマン少年の演技、特に目の表情が豊かでびっくりする。
コメディ要素がありながらも、1人の少年の自我の確立を描いたワイティティの監督・脚色とヒトラーをコミカルに演じた役者と多彩な才能を見せ付けられた。
助演のスカヨハはアカデミー賞ノミネートの演技ももちろんだが、サム・ロックウェル演じたクレンツェンドルフ大尉も良いキャラ。
何度もジョジョは助けられた。
特に最後に捕虜となってからのシーンは胸が詰まる。
ラストのジョジョとエルサの最初ぎこちなさから始まるダンス・シーンと表情に「生き残ることが勝利」を体現した名シーンだと思う。
親友ヨーキー君も生き残れて良かった‼️
21/3/5
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