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ジョジョ・ラビットのapapattiのネタバレレビュー・内容・結末

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

かなりよかった。
かなりよかったけど、2019年になってわざわざアメリカが作る映画としてはなんかこう、なんでいま?は少し感じる

冒頭いきなりビートルズから始まって、なんでやと思ったら、なんとドイツ語版らしく、ナチの熱狂的な人気を比喩したものであるらしい。オシャレな演出ね。

ここのところ、戦場のピアニスト・シンドラーとホロコーストを扱ったものを複数見ていたので、ナチ側の視点は初めてだったかもしれない。
いわれてみればアーミッシュは居住地は取り上げられていないから見た目比較的裕福だった。それでも食事を抜いて子供にあげたりするシーンはあったので、食料とかは配給だったのだろうけど。

身だしなみが非常にカラフルだったのも、いつ死んでもいいように身なりを整えていたから、という説明を見て、なるほどなと。実際に、レジスタンスとして母が命を落とすのだけど、その時も立派な服装である。

ゲットーの惨状は他作品でもみられたが、ユダヤ人に限らずつるされた死体が(しかも自国の人間の)日常化する町なかというのは、ポップに描かれてこそいるがちょっと想像できない。

というかマジでレジスタンスが出るってすごいよな。いや、すごいというか、敗北でいいから戦時の早期決着・・・あーでも日本でもクーデターとかはあるのか・・・まあ・・・そうか・・・五・一五事件とかか・・戦時ではないにせよ・・まああるか・・

子供の成長、という観点では非常に丁寧に描かれていて、くつひもが象徴的に何度も扱われる。最終的には想像上の友人・アドルフを蹴り飛ばして自分の意見を通すというのもよいし、思い人に母から聞いた愛してるということばを初めてささやくなど、10歳か~~~?でもなんかこれくらいの揺れと決心があるのかなと思うような、ちょうどいいくらいのところを攻めてきてる。

ただ、子供の成長が主眼であるとするならば、ややテーマとしては重過ぎる。フィクションならなおさらで、母の死に面したこどもが、銃声と爆撃の死線を潜り抜けたこどもが、あのように果たしてまっすぐと育つのか?そうだとしてもちょっとほかにテーマがあるのでは?という違和感はある。

ほかのレビューを見ててそれはファンクションとしてはそうか、と思ったのは、「当時のドイツ人の中には一人ひとり想像上のヒトラーがいたはずで、10歳児の中にも当然それはいる。どのように人が扇動されてきたのか、どう影響されてきたのか、という描き方」みたいな点で、それはまあそうかもなと思う。

戦勝国が茶化していいのかコレというもやつきは、10歳ですらそうだったという当時の異常性を表現するものとしては十分機能していると思う。

いや~でもなんかちょっとこのワイティティという監督が、本作を通じて何をなしたかったのか、これだけチャレンジングなテーマを扱ってまでどうしたかったのか、ってのがちょっとあんまわからないんだよな~~
だれかおしえてください


あと、割とこどもも一緒に見れるかな?とおもって途中まで3歳と一緒にみたのだけど、まじの「なんでたたかってるの?」からの「なんで?」「なんで?」はめっちゃ困りました。トヨタかよ。
いや、マジでなんで戦争しちゃったのよ。お父さんわからないわ・・・。
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