Anna

ジョジョ・ラビットのAnnaのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
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アマプラを漁っている中でたまたま見つけた作品なのに、心を完全に拐われた。

ビートルズで始まり、お茶目なヒトラーが登場した序盤。戦争映画、ここまで明るく描いて良いのか?と思うくらいポップに進んでいたのに、後半にかけて見えてくる「現実」と喪失感は、10歳の男の子が抱えるにはあまりにも重すぎた。
ジョジョが母親の靴紐を結べなかったシーンは、喉の奥がグッと詰まるくらい苦しい。

他の戦争映画に比べたらとってもコメディチックに描かれているけれど、伝えるべき「事実」は真っ直ぐ伝わってくる。調査団との挨拶のシーンなんて、ただのブラックジョークかと思いきや。。。

一方、天然そうに見えて一番現実に目を向けている(2番目の)親友ヨーキーが、作品の癒しであり支え。いい味!

ヒトラーユーゲントの存在なんてこの作品を観るまでは知らなかった。ドイツにせよ日本にせよイタリアにせよ、戦争における絶対的権力者は、当時の人たちにとってどのような存在だったのか。平和な現代に生きる私はいくら考えても理解しきれない。もどかしくもあり、幸せでもある。

ラストのジョジョとヒトラーが対峙する場面、ジョジョの表情は10歳半の“青年”だった。かっこよかった。

2024年まだ序盤だけど、絶対年間ベストに入る作品!
(中学生の時授業でライフイズビューティフルを観たんだけど、私が先生だったらこの作品を生徒に見せたい。)
Anna

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