ユカートマン

ジョジョ・ラビットのユカートマンのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.2
ウサギも殺せないヒトラー信奉者の10歳のジョジョ(ヨハネス)が、地下活動をしている母が匿っているユダヤ人の少女の存在に気付いてしまった話。
ドイツがWW2で負けたことぐらい常識なので最初のハイルヒットラー!!の練習しているシーンで既に映画のラストが思いやられ涙が。ボヘミアンラプソディーも同じ理由で開始3秒で泣いた。今までのハリウッド映画の抗ナチ映画は、ハリウッドがユダヤ人だらけのため反ナチプロパガンダの色が濃く、ドイツ人が鬼畜ナチ野郎以上のものとして描かれてこなかったが、顔と名前を持ったドイツ人たちがユダヤ人を匿い、全員がヒトラーに心酔していたわけではないことを描いた点で大きく意味がある映画だなと思った。登場人物たちは終始アメリカ人然としていてリアリティは全くないが案の定涙と鼻水で顔がグチャグチャになり、最後のリルケの詩も素晴らしく、最後に流れたヒーローズはベルリンの壁の曲だから時代錯誤だなと思ったけどドイツ語で歌われていて更に涙が出た。エンドロールで立つ人が少なく、多くの人が座席に根を張っていて打ちのめされたのがわかった。大傑作。
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