とむ

ジョジョ・ラビットのとむのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
3.8
ナチスドイツを舞台に描いた、
ボーイミーツガールであり、
青春譚であり、一人の少年の成長物語でもある。
個人的にはちょっとモヤっとするシークエンスもあったけど、このテーマにはやっぱ泣かされちゃうよね。


割と前半からコミカルでポップな描き方はしつつ不穏なシーンをちょくちょく挟むことで、
後半に「ハードな展開」が待ち構えてることをしっかり示唆していたり、
カット編集が突然テンポ良くなること自体がラストの布石になってたり、
映画の「色」自体を伏線として用いてるのが斬新で面白いですよね。


あとはなんと言っても「靴紐を結ぶ」行為の描き方がすごく上手い。
最初、ジョジョにとって靴紐は「結んでもらうもの」だったけど、
とある凄惨な現実を目の当たりにしたとき、ジョジョは靴紐を「結ぶことができない」。
でも、文字通り「彼」を蹴っ飛ばして以降、ジョジョは他人のために「靴紐を結べるようになる」訳ですよね。
ジョジョの中にあの人の魂が継承された瞬間でもある。


ヨーキーが「僕たち間違ってかも」とジョジョに言うけど、
子供達の方がよっぽど柔軟性があって考え方として素敵なものを持ってるかもしれないね。


あとサム・ロックウェル。
スリービルボードといい、リチャード・ジュエルといい、コレといい、
良い役演じ過ぎだろマジで…泣
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