ヱミッチ

ジョジョ・ラビットのヱミッチのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
5.0
第二次世界大戦時のドイツが舞台。

後で知ったのだけど、オープニングのビートルズのI wnat to hold your handとエンディングのデヴィッド・ボウイのHeroesは、ドイツ語版なんだそう。へぇ〜!

ナチスの信奉者である10歳の男の子を痛烈に皮肉ったブラックコメディなのかな?と、戸惑った気持ちで観ていたのは束の間。
いつの間にか引き込まれて、気づいたら涙があふれていた。

キャプテン・Kは実は、ジョジョのママと同じレジスタンス活動をしている人なのかな?って思った。
ゲシュタポがジョジョの家に家宅捜査に入ったときに、偶然チラシ持ってきたとかそれは口実で。
ヒトラーユーゲントのキャンプでも、本を燃やしてるときに一人浮かない顔をしていたし。
『スリービルボード』のときのような、ポンコツ役と思いきや、彼の映画では描かれていないバックグラウンドが気になる。
てかサム・ロックウェルは控えめに言って最高。

シリアスなテーマなのに、こんなにコミカルに昇華していて、それでいてちゃんと戦争の虚しさや人種差別、恋愛、少年の成長を描ききっていて、そのセンスに脱帽です。ファンタジックな要素も、ほんといろいろ無駄がない。

キャラクターもひとりひとり魅力的。

きっと、こんな時代じゃなければ真っ当だったはず。
エルサがジョジョに言う、「カギ十字と軍服と戦争ごっこが好きな10歳の男の子」がほんと的を得てる。
ビートルズに熱狂してる人をオマージュしたオープニングが不謹慎だけど小気味良い。
ヒトラーを理想の指導者と妄信していただけなんだろな。

ラストシーン、すごく余韻が残りました。
またひとつ、好きな映画が増えた。    
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