じょり

ジョジョ・ラビットのじょりのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
2.5
期待してたのにヨーキーの誤射でしか笑えんかったやないか!



以下長文です。




靴紐演出や、相当困難なファンタジーと現実的戦争の融合作品へのチャレンジは評価したいです。とは言うものの、監督が当初目指してたものを何となく想像できるけど…撮れ高編集の途中で気付き、役者の典型的演技を主としたマンパワー映画に路線変更した印象は否定できない、と勝手に想像してます。俳優はがんばってる、作り手側が盛り込もうとしすぎたんだな。

・私には"戦争や人種差別的虐殺は絶対ダメ"と明白に伝わって来ませんでした。これは危険。例え本作が子供向けだとしてもリアルな戦争描写してる以上、ポップもマイルドもクソもないので、同じ子供+ナチス映画『さよなら子供たち』でジュリアン君が痛感するような絶望的な気持ちの演出は必要だと思います。

・本作最大の問題はヒトラーの使い方じゃないかと。脳内フレンドだとしても、彼を実物と設定したことで変にイジれず、コメディとしてはデリケートで足カセのように感じました。わざわざ出さなくても話に影響なかったですし。…もしかして出力不足な天然キャラであるジョジョのツッコミ要員だったかもしれない。


出すならチャップリンやルビッチのように"そっくりさん"設定で自由にネタをふるか、大林監督『さびしんぼう』のように、本人か空想かワケ分からんけどグイグイ絡んでくるのも、難しいけどアリでしょう。むしろそっちを見たかった。

上手く消化できれば充実した内容の作品になったはずであり、ルビッチ監督の名作『生きるべきか死ぬべきか』での"ハイルヒトラー!"連呼ネタをオマージュしてるんだから、監督にはもうちょい本気を見せてほしかったです!

追伸  もうはっきりとは覚えてないけど、字幕の訳で微妙な箇所がいくつかあった気がしました。
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