シネラー

ジョジョ・ラビットのシネラーのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.5
嫌いになる登場人物がいない、
コミカルとシリアスが絶妙な戦争映画。

自身の中のヒトラーに心酔するだけ
だった少年ジョジョが、
自己決定できるようになるまでの
作品であり、
少年の成長を見事に描いている。
残酷な思想に囚われていても、
周囲の大人や現実が
少年の純粋な思想に疑念を抱かせ、
少年自身が選んでいくのは
凄く丁寧な描写であり、
優しさが感じられる内容だった。
エンディングの入りとなる布石も
戦争が終わった事による自由が
良く表現されていた。

しかし、そんな中でも残酷な現実も
劇中では描かれている。
ジョジョの目線で印象に残っていた
彼の母親の靴が、
後の描写に大きな意味をもたらしたり、
少年兵の訓練もコミカルに描かれている
為に察しづらいが、
冷静に考えれば非人道的だ。

自分の靴紐も結べなかった少年が、
他人の靴紐を結べるようになる
素敵な成長物語であり、
家族、恋愛、戦争、友情、
様々な要素に溢れるながらも
悲惨な中でも温かみが感じられる
映画だった。
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