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ジョジョ・ラビットのmayaのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.4
この映画の特別なところは、第二次世界大戦の話のようで、実は「戦争のその後」そしてそこから続く「いま」を描いているところだと思う。
エンディングのデヴィッドボウイの「ヒーローズ」は、冷戦期に東西ドイツの境界でボウイが行ったライブで、西側から東側にスピーカーをむけて歌った曲。ベルリンの壁で落ち合う東西のカップルを題材にしているんだよね。ナチスを経たドイツが、そのトラウマと向き合い、また新たな分断を迎える。でも、東西冷戦期に最も反戦運動が盛んだったのはドイツ。ナチスの時に暴力に敗北した国は、それを教訓に、今度は違う選択をした。
本作に出てくる人たちは、世界のどうしようもない暴力と憎しみの連鎖に、暴力ではなく愛で立ち向かおうとしている。その試みの積み重ねが、未来の選択を変える事になる。まだ戦わなければいけないことが多い現代に、希望をくれる作品だと思います。
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