あっくん

バルーン 奇蹟の脱出飛行のあっくんのレビュー・感想・評価

バルーン 奇蹟の脱出飛行(2018年製作の映画)
4.6
U-NEXTで気になっていた作品✨(*^^*)
東ドイツからは「最も華々しい亡命」と称賛された実話サスペンス!!

🎈あらすじ
1979年の東ドイツ。
抑圧された日常を送る電気技師ペーターとその家族は、手作りの熱気球で西ドイツを目指すが、国境まであと数百メートルというところまで行くも、機材トラブルにより不時着してしまう。
準備に2年を費やした計画の失敗に落胆するペーターたちだったが、気球の設計に携わっていた親友ギュンターの励ましにより、再度亡命することを決意。

しかし西側への亡命を厳しく取り締まる“秘密警察”こと国家保安省シュタージが、不時着した気球の残骸を手掛かりに捜査を開始。
国家の威信を守ろうとするザイデル中佐主導による捜査の手は、着実にペーター、ギュンターの家族達を追い詰めていく。

🎈感想
終始ハラハラドキドキ💦💦(/ω・\)チラ
自由を求めて、命掛けの脱出劇に緊迫感溢れるスリリングな作品💦

一つの行動や言動で間違えれば、恐ろしい東ドイツの秘密警察シュタージに怪しまれるという自由のない監視された社会…。
不安を煽る要な重厚感溢れる音楽と共に、一人一人の心理描写から伝わる周りに監視されているという緊張感が半端ないです💦(-_-;)

誰にもバレてはいけない…
心を許してはいけない…
そんな息苦しい生活から開放する事が出来るのか?

そんな中で次から次へとハプニングが勃発!!Σ(゚Д゚)
特に保育園に通う幼い息子さんの純粋無垢な暴露シーンがもうドキドキ💦💦/(;゚Д゚)\ヤ、ヤメテー!!

脱出劇中で見せる家族の絆の他にも、ペーターの長男の淡い恋、ギュンターの母・義理父や保育園の先生等の登場が少ないキャラ描写も色々考えさせられます。

空高く舞い上がる気球というのは自由と希望…そして夢と平和への象徴…。
本当にその通りだな〜と思いました…。
本作をキッカケにドイツ作品を色々観てみようかと思います🎶

🎈当時のベルリンの壁と逃亡・亡命

1961年〜1989年
第2次世界大戦で敗れたドイツは、冷戦時代にソ連が統治する共産主義政権下の東ドイツと米・英・仏が統治する資本主義社会の西ドイツと東西で分裂。
そしてベルリンの壁が建てられた…。
崩壊までの28年間で東から西へ逃亡出来たのは約23万の中で約4万人ほど。

ベルリンの壁付近では近くにいるだけで射殺許可も出ており、逃亡等により子供含め約140人程が犠牲になったという。
その中でも…
・ベルリンの壁建設で職も住居を失い、脱出口を探そうとした時に殺された最初の犠牲者ギュンター・トリフィン(24)
・壁を乗り越えようとした時に撃たれ、転落した後も一時間近く苦しみ続け、亡くなるまで放置されたというピーターフェクター(18)
・ベルリンの壁崩壊の僅か9ヶ月前に壁近くにて殺された最後の犠牲者クリス・ギュフロイ(20)
…と自由を得る為に若くに散った事件等が祖国で有名。

また、Wikipediaで調べると東西ドイツの亡命でのエピソードが色々とあり、中でも有名は大学の学生が組織的に行ったのがトンネルを作っての脱出劇である“トンネル29”(2001年に“トンネル”というタイトルで164分のテレビ映画が作られている。)“トンネル57 ”等がある。(29,57の数字は脱出出来た人数)

色々調べると、ベルリンの壁崩壊は住民達にとってどれ程歓喜に包まれたのか、そして本作の逃亡劇がいかに凄い事なのかが伝わりました。

🎈キャスト
監督はミヒャエル・ブリー・へリビヒ(小さなバイキング ビッケ)

ペーター役のフリードリヒ・ミュッケ(マーラー 君に捧げるアダージョ)

ギュンター役のデヴィット・クロス(戦火の馬、愛を読むひと、キーパー ある兵士の奇跡)

ペーターの奥様ドリス役のカトリーヌ・シュッへ(ガーディアン)

ギュンターの奥様ペトラ役のアリシア・フォン・リットベルク(フューリー、われらが背しき者)

秘密警察ザイデル中佐役のトーマス・クレッチマン(インディージョーンズと運命のボタン、戦場のピアニスト、ヴィクトリア女王 世紀の愛、アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン、ウォンテッド)

※なお、本作はリメイク作となっていまして、1982年にディズニー制作の“気球の8人”という題名で公開しています。
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