弁護士のシェリリン・タンさんがシンガポールのマリーナベイ・サンズで殺害され、同時に彼女の車が爆破される事件が発生し、事件の捜査が始まります。この事件のことはまだ何も知らないコナンは、怪盗キッドの巧みな手口で、シンガポールに不法入国。そこで、怪盗キッドが事件に勝手に巻き込まれたことを知り、現地の子供のふりをしたコナンの推理と新一に変装した怪盗キッドのマジックが相まって、探偵と怪盗のコンビとして事件の謎解きに挑みます。
本作の主要キャラクターはコナンの好敵手の一人である怪盗キッドであり、怪盗キッドのファンが歓喜の叫びを挙げるほど、本作は彼のカリスマに満ちています。特に、怪盗キッドの台詞「握った拳の中でまるで何かがあるかのように思わせるのがマジシャンで、その拳を開く前に言い当てるのが探偵だろ」という言葉が印象的でした。コナン君と怪盗キッドが協力し合う場面では、彼らの無敵のコンビが活躍し、最強なマジックと最強な謎解きのを見せてくれます。
また、これまで端役でしか登場しなかった人物にも注目が集まり、コナンの世界においてこの人物は非常に強い存在であることを感じさせられました。京極真、本作を通じて彼を新たな視点で見ることができ、彼の素晴らしい人物像に魅了されました。彼が園子に対して示す素直な気持ちや、空手に対する熱心な気持ちは素敵だと思い、今後の作品でも彼の魅力をより引き出してほしいと思いました。
総括として、本作は典型的なコナン映画のミステリーではなく、コナン君の推理や小五郎のおっちゃんのぼけが少ないものの、魅力的なキャラクターの登場や、阿笠博士の安定のクイズ、哀ちゃんのインフォーマ役など、典型的なコナン映画の要素も残されつつ、ダイナミックなアクションが満載の良質な海外偏となっています。