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名探偵コナン 紺青の拳のBellのレビュー・感想・評価

名探偵コナン 紺青の拳(2019年製作の映画)
4.5
今年はキッドもの!! そして、そこに、京極真と鈴木園子の恋模様も絡んでくる物語でしたね。

19世紀末、シンガポール近海に海賊船と一緒に沈んだとされる、伝説のブルーサファイア“紺青の拳”。

その宝石をめぐり、シンガポールのマリーナベイ・サンズで殺人事件が発生し、その現場には、血塗られた怪盗キッドの予告状が残されていました。

キッドの策略に寄って、シンガポールに連れてこられたコナンは、「アーサー・ヒライ」という偽名で、現地の子供に成りすまし、キッドと共に、事件を追うことになる・・・・というのがあらすじです。



とにかく、全体を通して、とてもオシャレな映画でした。

お馴染みオープニングムービーも、映像、音楽のアレンジ共にオシャレ!

海外のリゾート地、伝説の秘宝、怪盗、恋人達、そしてミステリー・・・、今までにない感じの、大人のムード漂う作品です。



昨年ヒットした『ゼロの執行人』は、「日本」を守るために、登場人物達皆が(もちろん、コナンには蘭を守るためでもありますが)、少年探偵団の子供達まで。も、それとは知らず、戦っていく・・・というテーマでしたが。



今回の『紺青の拳』は、シンプルに「愛する人を守るため」というのがメインなお話。そんなコナン君や京極さんの姿にキュンと来ました。


こんな素敵な所で恋人と過ごせたら最高だろうなぁ~という、誰もが憧れそうな、オシャレな外国の地で事件に巻き込まれ、振り回されてしまう恋人達のストーリー・・・という設定、とても良かったです。

そういえば、こういうラブストーリーとミステリー、一昨年の『から紅の恋歌』にも、少し似ていますね。

脚本の方が同じなのですよね。

ラブストーリーも、ミステリーも、両方ともに楽しめました。



そうそう。

今回は色々と斬新で新鮮なポイントが多かったと思うのですが、冒頭も、今までとはひと味違っていましたよね?

アバンが、めっちゃ長い!!!!! ちょっとビックリでした。


そのアバンですが。

シンガポールでの殺人事件に続いて、夜道で連れ去られるコナンのシーンなど、ちょっと怖い感じでドキドキしました。

第二の殺人で、死体が現われるシーンも怖かったですし。

こういう「怖いシーン」って、ここ最近のコナン映画では無かったような気がするのですよね。

そういう点も、ミステリ好きとしては、興味深くて面白かったです。やっぱり、ミステリは怖くなくっちゃ(^m^)



殺人事件に関しては、普通に見ていれば、なんとなく怪しくて犯人は分かると思うのですが、そのトリックが「なるほど!」って感じで面白かったです。

本格ミステリな手法ですね。

でも、真相が分かってしまえば、なるほどなるほど、キッドが言ってた「何もない拳の中に、何かあるように見せるのがマジシャン」っていう台詞とシンクロしていたと思います。

ある意味、キッドのこの台詞は、事件の核心のヒントだったのだなぁと。



で。

そんな殺人事件の解決に立ち向かうコナンですが。

今回は、江戸川コナンとしてではなく、アーサー・ヒライとして動く訳で、それは、ちょっと寂しかったかな? でも、それもまた新鮮♪

そして、日本だと、事件の度に情報をくれる警視庁の皆々様も、今回ばかりは頼れない!!

不利な状況の異国の地で、コナンとキッドだけの力で真相を究明していくのもドキドキでした。

重くなりがちなシリアスなシーンがありつつも、ギャグテイストなコナンとキッドの掛け合いもあって、和めたのも良かったです。

また、宝石を散りばめたようなシンガポールの夜景を見下しながら、コナンを抱えて飛ぶキッドのシーンも素敵でした。


そしてそして!

予告編でドキっとした蘭と新一のプールのシーン。

・・・まあ、キッド登場の作品なので、予想はつきましたが。

あのプールでの、とっても積極的に見えた蘭ちゃんの行動も、「ある目的」の為だったのですよね!

プールの中で新一と手を繋ぐシーン・・・あれは、レオンと握手した際、「探偵というよりマジシャンの手をしている」と言われた新一の真相を確かめたかったのかなぁと。

蘭ちゃんもなかなかに名探偵になってきしまたね(笑)



今回は、たくさんの登場人物が、それぞれ別の目的・想いの元に動き、それが、ひとつの事件を形作っていっていました。

なので、もっと単純な事件だったはずが、ラストには、より大変なことへと発展していきます。

そして、そんな事件に翻弄される京極と園子の恋の行方も良かったですね~。


あっ!

いつもはヘアバンドで前髪をアップにしている園子ですが、前髪を下したお顔も超可愛かったです(//▽//)

ミーハーに見えて、とても友達想いで、実は、すっごく一途な恋する乙女。

園子のことを益々好きになっちゃう映画でもありました。



本当に、色々な点で、これまでのコナン映画にない新鮮なロマンティックさ溢れる作品でした。

まだ前売りも余分に買ってありますし、リピーターしたいです。
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