masaya

新聞記者のmasayaのレビュー・感想・評価

新聞記者(2019年製作の映画)
-
政権にとって不都合な事実。見せたくない真実。それに対する報道に政権側からの圧力がかかった時、新聞記者に何が出来るか。何を信じ、何をすべきか。
このテーマを今映画として世に出したことを称賛したいし、改めて世に問わなけれならない時代になっていることに危機感を感じた。

この違和感や良心の呵責に気づかないふりをし続けることは、自ら真綿で首を絞めてるようなもの。止めなければならない、先人が勝ち取った民主主義が形骸になる前に、自分たちが毒に倒れた羊になる前に。

政府とメディアという形を取っているけど組織と個人、という構造でも鋭い切り口を持っていた。組織の安定と個人の信念は時に対立する。個人が失うものが大きい非対称な対立。その時に支えになるのは勇気だろうか。矜恃だろうか。家族の信頼だろうか。

今のマスメディアの在り方に対しても厳しい視線。忖度と事なかれ主義、ゴシップ重視の執拗な個人攻撃。本当に国民の為の報道なのか。あるべき姿に立ち返るべきなのは、彼らもそうだ。
masaya

masaya