テルヒサ

新聞記者のテルヒサのレビュー・感想・評価

新聞記者(2019年製作の映画)
4.7
メディアと政治、それぞれの正義と葛藤。
主役二人のうち、どちらかというと杉原に感情移入してその苦しみを共感しようとした。吉岡側は真相を追求しようと思う正義感や民間という立場から上に挑む精神のようなものを感じるけど、これはあくまでフィクションの主役として最適なだけであって、より人間ドラマとして成立していたのは杉原側だったと思う。
その上で、決して杉原が自分の苦しみや葛藤から解放されていく物語ではなかった点がよかった。そこに日本の現状やリアリティが現れていて、観客が没入できる作りになっているのが良い。
ラストシーン後の杉原の生死は大した論点ではなくて、彼の心境や社会の現状について考えることにうまみがある作品だと思った。
タイトルカットがよかった。
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