MOON

新聞記者のMOONのネタバレレビュー・内容・結末

新聞記者(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

評判が良さげだったので気になって前情報なしの状態で観ました。…が、開始30分ほどで後悔が…。

実際にあった伊藤詩織さんのレイプ事件や加計問題を題材にしたのはリアリティを出すためなのかも しれないけれど、あれらが出てきてしまったら『正義が勝つ』という結末にはならない事が見えてしまって何度も席を立ちたくなってしまった。

だってもう胸糞悪いだけ。個人がいくら正義を貫こうとしても国家権力の前ではいとも簡単に揉み消される。そんなの何度も見てきたし、この国の在り方に絶望も感じ尽くした。それを今さら映画で見せられて やっぱりそうなるよねって結末を突きつけられて うん、知ってる。分かってるってなっただけ。
もうみんなが『正義は勝てない』と知っている。諦めてる。それがこの国の現状。それを打破する話でもなく、ただ思い知らされただけの作品でした。作品自体の善し悪しとは別に、こんな胸糞悪い作品 観るんじゃなかった…って気持ちでいっぱいでした。

でも きっとこの作品は作られた事、上映された事自体に大きな意味があって、問題提起作品として話題になり、スマッシュヒットにつながった事そのものが快挙だったんだろうなと思います。この作品に携わったすべての方々の勇気に拍手を送りたい。

松坂桃李くんが出演を受けてくれたことも本当に大きかったと思います。いくら作品が良くても無名俳優ばかりだと客は呼べないし話題にもならない。いろんな人の「このままで良いのか?」という思いの結晶が形になったことは大きく評価したい。

良い気はしない作品だったけど大きな意味のある作品だと思います。
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