中沢啓治が、『はだしのゲン』に
先駆けて描いた原作をアニメ化。
戦後30年を経た広島で、被爆者達が
アメリカに対する露骨な憎悪を
剥き出しにしながら死んでいきます。
悲劇はさらに、被爆2世に対する
謂われ無き風評被害へと及びます。
「生き証人が死に絶えたその時…!」
―――核兵器で、粉々に割れる地球!
凄まじい描写での、恐ろしい予言です。☆
他所で見られるような綺麗事は、
ここでは一切見られません。
これが、現実の感情なのですね。
「アメリカ人1000人に梅毒を移してやる」
と願掛けした娼婦のお母さん。
この近辺に居る外人さん達に移したら、
さらに多くの、近辺の地元民に
感染拡大しますやんか…。
と、そんな突っ込みすら憚られる、
鬼気迫るモノを感じます。
広島出身の西城秀樹が好演でした。
さすがネイティヴ。ヤンチャぶりが
めちゃハマってた。
決して主役というわけでは無いのに
トップクレジットに据えられているのは、
何かの代表、象徴としたい意図が
あったのかも知れませんね。
典型的な80年代アニメ絵柄への
拒絶反応に耐え抜いて鑑賞した
価値はありました。☆