とてもいぶし銀な映画。
Uボートと駆逐艦との壮絶な戦いに終始しており、余計な演出は一切無い真っ向勝負な作品。
そうなるとただドンパチやっているだけで単調になってしまうはずなのに、多くを語らなくとも伝わるトム・ハンクスの演技力で、全く飽きることなく観られた。
キャラクターも魅力的で、とにかく艦長が人間的に素晴らしい人物。
常に冷静で、的確な指示。
ピンチにも狼狽えることなく、動揺を船員に見せない。
船員がミスをしても、責め立てる訳ではなく、速やかかつ迅速にフォローする。
正しく理想の上司。
ただ、その分任務の過酷さやプレッシャー等から、かなり体力的にも精神的にも疲弊していて心配だった。
そして、それでも尚、最後まで実直で誠実な姿には恐れ入った。
一方、Uボートから聞こえるドイツ人の煽りの言葉が最低で、嫌がらせにしても悪趣味だった。
あまりにも低俗なものだから、より艦長の素晴らしさが映える。
のと同時に、ちょっと笑えた。
