メイプルわっふるG

侵入する男のメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

侵入する男(2019年製作の映画)
3.4
お気に入りの自宅を借金苦で売却したチャーリー(デニス・クエイド)。未練たらたらで、家を購入した若い夫婦に付きまとう。

デニス・クエイドの笑顔が素敵。口元に笑みをたたえたまま怒気を発したり不穏な空気を醸し出したり。日々鏡を見ながら笑顔の練習(作中)をする努力家。一人のときの真顔や素の感情とのギャップがまた良い。
そして還暦過ぎてなお鍛えられた肉体。人生を感じる魅力的な顔との組み合わせは反則級。
トドメは"白い扉&ジャック・ニコルソン"なカット。制作、遊んだのか。

ただ、チャーリーの妄想が単発だったのは物足りない。多すぎてはストーリーがブレるので良くないけれど、あと数回は楽しみたかった。カットされただけで撮影段階ではもっとあったのかな。

主役は新しい住人の黒人夫婦。夫は会社一番の稼ぎ頭、マーケティングの天才。大仕事を成し遂げ、そろそろ子作りをと新居を購入。そこで前の住人チャーリーに粘着される、というのが本筋。

被害者で遣り手の営業マンが黒人青年。同僚で親友で人間性が格下の白人男。悪役も白人。
昔は白人以外ヒト扱いしないような映画が多かったけれど。この配役も時代の表れか。

一番の親友で同僚のマイク(ジョセフ・シコラ)。失言したり図々しかったりマナー不良だったり。半端なオラオラ系の小物。チャーリーの次に好きだ。
この手の映画のダメ男って、ねずみ男みたいなもの。伏線のやらかしが楽しくてぞわぞわする。

総じて面白おかしく楽しめたものの、やっぱりチャーリー妄想が物足りないので少し減点。


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2021.02.15 スターチャンネル1
2020.11.25 スターチャンネル1