ロクシ

劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~のロクシのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

笑いどころがいっぱいあって、面白かったです。
会場でもあっちこっちからギャハハって聞こえてきました。
サウナのコント、ローマの休日のパロディは笑った。吉田鋼太郎さんさすが。
田中圭さんの冒頭の謎のアクションと小麦粉かぶりなど体張った演技がすごいな〜と。
テンポがめちゃくちゃ早くてカットが多く、イルミネーションのアニメ映画みたいだった。イルミネーション系(シングとかペットとか)が好きな人はハマると思います。

でも個人的にBL方面期待してたので、それは正直がっかりだった・・。

春田と牧の絡み少っくな〜!ドラマ版では家でのシーンがドキドキしたのに、
牧が序盤で引っ越してしまって同棲ドキドキシーンが全然なかった(TT)
ドラマ版だと看病イベントとかデートとかでキュンキュンしたのになぁ〜
きんぴらごぼうついてますよとか花火の手つなぎとかもよかったけどね・・。
今回はこの2人の恋愛模様がメインってわけじゃなかったんだね。

ちょっと内容が詰め込み過ぎて、この内容なら1シーズンかけてドラマでやってほしかったなーと。
沢村一樹とジャスティスのキャラもすごく良かったのに、詰め込みすぎて浅くなってしまいもったいない!
ジャスティス役の人は2.5次元ぽいなと思って後から調べたら、本当にテニミュ出身の人だったとはびっくり。

新人ジャスティスとの新しいバディ、リゾート計画での立ち退き、牧のプロジェクト多忙で春田とすれ違い、同性婚の問題、部長の記憶喪失、武川の片思い、まろと蝶子、ゆいPの誘拐、燃える工場からの脱出劇、牧の転勤…おもしろいけど一本の映画に詰め込みすぎ!
春田と牧の恋愛関係については、ドラマ版の最終回でプロポーズまでしたのにどのくらいお互いが好きなのかよくわからなかった。
牧は本社のプロジェクトの中心メンバーに抜擢され多忙になってしまい春田とコミュニケーションを取る時間がなくなってしまう。文句を言う春田を邪険に扱う牧。忙しいのはわかるけど、帰り道でメールくらい返せるだろうとちょっと思ってしまった。
恋人に、転勤のことも入院のことも全く話さないなんておかしいような・・・。
でも仕事の内容を家庭で全然話したがらない夫っているよな〜。
仕事に集中したいから春田のことはちょっと置いときたいって気持ちがあったのかわからないけど、そこのところの心情描写をもう少し掘り下げてほしかった。脚本家の男性目線なんだろうな。牧に全然感情移入できないし、むしろモブ化してたような。

終盤の春田が中国の危ないパートナー企業に乗り込んで銃をつきつけられるシーンとか、時限爆弾とか、燃え盛る工場とか、もうツッコミどころが多すぎてめちゃくちゃでちょっと冷めた。
細かいところを気にしちゃだめなんだってわかってるけど・・・
平社員が急に会社に乗り込んで、なんで重役勢揃いみたいな会議室に通された?誘拐されたならまず警察に電話しようよ。人質一人殺すためにわざわざ
時限爆弾を置く意味がわからん(銃あるじゃん)。警察と消防より早く誘拐現場にたどり着く営業部(仕事は?)、ゆいPが汚い廃工場みたいなところに監禁されてるのに豪華な家具に囲まれて座ってお菓子食べてる(誘拐した人が提供したんだろうけど突っ込んで)、燃えてる室内で長話してるけど熱くないの?一酸化炭素中毒は?すごい爆発したけど最後どうやって脱出した?あと火事で時期的に京アニを思い出してしまったり・・・
ドラマ版での不動産会社のマンションのビラ配りとか、イベントで配るチラシに誤植が見つかってみんなでテープ貼ったりだとか、夫婦の新居探しでお客さんの喧嘩に巻き込まれるとか、そういうリアルなサラリーマンの日常も好きだったのに、ファンタジーになってしまって残念。
サウナのコントの帰りから牧が倒れて入院して、翌日春田が急に牧の実家に呼び出されたり、牧のお母さんが会社で春田を待ち伏せてたり・・・(皆暇なの?)
最終回で部長と春田が急に1年同棲してるのも無茶苦茶だったけど・・・
あえてB級映画を狙ったんだと思うけど、個人的にはその尺を人間ドラマに振ってほしかったなー

最後、結局牧は春田といることよりも海外赴任を選んで、春田も現場の仕事が自分の夢だと自覚して、お互いバイバイ。さようならのキスシーン。振り返らない二人。
なんだか寂しいラストでした。春牧ファンとして辛かったです。もっといちゃいちゃシーンほしかったけど恋愛映画じゃないからね、仕方ないね><
ドラマ版のラストシーンで、牧にキスされて「そういうのやめろよ〜!」→ちょっとシュンとなる牧→「んなわけねぇだろっつの」→キスで暗転
でキャ〜〜!!となったのですが、
あれは春田が牧に対して受け身で友達のような関係で交わしてたのを、ちゃんとした恋人として自分から肉体的にも一歩踏み込んだと解釈したので、同性愛についてもっと掘り下げるのかなーと思ってたので、ちょっと思ってたのと違った。
いろいろすっ飛ばして仕事か家庭か、みたいな話になっちゃった。

BLならイギリス映画のゴッズオウンカントリーの方がキュンキュンしたなぁ。

カプ厨として色々思うところはあったけどコメディ映画としてはとても面白かったです。
ロクシ

ロクシ