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舞姫のrilyのネタバレレビュー・内容・結末

舞姫(1989年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

授業にて。原作を扱った後みました。
テレ朝(たしか)の周年記念でこの時代に郷ひろみを使ったことと、ロケの費用でお金を使い切ってしまったのかな、と思ってしまった。。
話がかなり違い、鴎外の描いた豊太郎のどうしようもなさ、迷い、苦しみが感じられなかった。彼らの置かれた状況の辛さや、豊太郎のどん底の時期も無かったこと、更に、エリスの発狂がなかったことで、原作よりも単調で終わりも曖昧に感じた。豊太郎の迷いとエリスの鋭さの対比がなく、ただただエリスが重い。
エリスのキャラクターも原作の感じとはかけ離れていると思う。
原作では、豊太郎自身の性格から反抗、内面との戦いと諦めまで見られたけれど、映画では豊太郎目線でもないために、大切なそれらが見られなかった。
過去の作品を見ることは、その当時の歴史や人間がどう見られていたかを学べるところに面白さがあると思う。文学作品の映画化は特にその辺を意識して見たいので、少し悲しくてついこんなに書いてしまった。原作未読の方はぜひ読んでみてくださいね。
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