Dakota

失踪のDakotaのレビュー・感想・評価

失踪(1993年製作の映画)
4.5
・相手の知的好奇心 凶器に
〈あらすじ〉
ジェフは外出先のシアトルから自宅への帰り道に立ち寄った小売店で、奇妙なできごとに襲われる。共に出掛けた恋人のダイアンが「トイレに行く」と車を降りたまま、突然姿を消したのだ。ジェフの懸命な捜索にも関わらず、彼女が行方不明になってから3年が過ぎた。新たな恋人と送る生活の中で、ダイアンの身に起きた真相の解明を諦めようとするジェフ。そんな折、ダイアンの誘拐犯を名乗るバーニーという男がジェフの前に現れる…。

▼映画冒頭から終盤まで、ダイアンを除くジェフ、バーニー(科学者)、リタ(ジェフの新恋人)の主に3人の登場人物で物語は進む。

▼バーニーがジェフに仕掛ける犯罪の手口が、斬新で面白い。ダイアン失踪の真相を知りたがるジェフに、それには彼女に起きた恐ろしい追体験をするしかないと話すバーニー。巧みな話術でジェフの知的好奇心をかき立て、自身が張り巡らした罠へとジェフを陥れていく。物理的凶器を用いない知能犯ぶりをまざまさと見せつけてくれる。

▼バーニーは、自身が極悪人にもなれる証明として、ダイアンへの犯行を行った。「殺人が極悪ではない」と評するバーニーが、誘拐したダイアンに何をしでかしたのか。明かされる真実は単純な死よりもよっぽど残酷でむごい。

▼バーニーがジェフを連れてどこかへ出て行ったことを聞きつけたリタは、2人の行き先を突き止める。愛するジェフを助けたいリタと、リタを第3の被害者に企てようとするバーニー両者の思惑が交錯する中、2人が仕掛ける駆け引きに最後まで目が離せない。
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