すがり

ブライトバーン/恐怖の拡散者のすがりのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

家族ってのは複雑よね。
こういう映画をみると家族ってものをどうしても考えてしまう。
どこで間違ったか、何も間違ってないのか、結局何にも分からないんだ。
ただの結果しか残らない。
結果から過程を想像できても、変えられるわけじゃないし、今後に活かすのが難しいものもある。

繰り返される例え話が物語を、あくまで筋道としての物語を教えてはくれている。
それを受け取ればもっと単純にスーパーマンの力で好き勝手できるならというエンタメとして楽しい。
ままならない時期に自分がスーパーマンだったらどうだったのだろうね。
超万能スポーツ選手として力を上手くコントロールしていくのが賢いだろうか。
ままならないのだから結局ブライトバーンになりそうな気もする。

今作がそれで怖い映画として宣伝されているのは変な気がしていて、そうなるとみたいものが違ってくる。
幸い初めから親子の話だと思っていたおかげで無駄な気持ちは無しでみることができたのだけれど、少し残念な部分もあり、それはブランドンの人格が何だったのかというところ。

仮にも親子として過ごした日々の中でブランドンの中にブランドンは居たのかという疑問。
変遷して行くというよりスイッチ式のようにころりとブランドンの性格が変わってしまったからその点には困惑させられてしまった。

悪意の正体。とても不思議ですごく気になるけれど、今作の場合は目的達成のためのシステムによるものだったようで、
その影響によってブランドンの意識が書き換えられたのか衝突していたのか、元々辿る性格のルートが早まっただけなのか、それが曖昧なのが残念。

母親との会話にもあるように、親子としてのブランドンの意識と訴えてくる悪意が戦っていると受け取れるような描写もありつつ、
それでいてわがままを通そうとそれまでの自身や状況に不釣り合いな怒りを見せて、それに一切の困惑を持っていなかったり、こちらがブランドン自身を掴み損ねさせられてしまう。

母親が最後に物理に訴えなければどうなっていたんだろうか。
ありがちな母親だけ残して世界は崩壊させるエンドだろうか。

何にせよ、そういうブランドンの拠り所と超パワーという点では今作は裏シャザムって感じだね。


個人的にはもう少し悪のスーパーマン的な力というか映像もみたかったのだけど、そこは続編に期待なのかな。
続編があっても良いとは思う、どうだろうね。
すがり

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