kirito

ブライトバーン/恐怖の拡散者のkiritoのレビュー・感想・評価

2.3
【BB】

一番良かったのがエンディング曲のBillie Eilishの「bad guy」という罠。
ドラマ「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」で使用されていたことも記憶に新しい。

制作に「ジェームズガン」が入ってるけど、名前貸しただけでしょ?といわれかねない微妙な作品。

子どもができずに悩んでいたブライア夫妻のもとに宇宙船が落下しそこに赤ちゃんがいてそれを育てたら12歳で殺人鬼に覚醒しましたという話。

さて、この映画が描きたかったことを純粋に考えてみると、「宇宙人は殺人鬼」に集約される気がする。そうすると、やはり他の有象無象の同種映画とは一線を画す作風にしなければならないわけだ。

そもそもブライア夫妻がめちゃくちゃいい親で、大切に12歳まで育ててきたのに、そこの設定を何も活かしきれていないという点がひっかかる。単純にブランドンが殺人鬼になるのであれば①親をクソみたいな親に設定を変える、②元の設定は殺人鬼だったけど夫妻に育てられたことで優しさを知り悪人だけ倒すヒーロー的な方向に転換するのどちらかであるなら理解できる。
しかし、この映画はどちらでもない。なんなら親でさえ許さないのだ。そうすると、12年間の愛情はどこへ?ホームビデオまで流してバックグラウンドは全無視ですか?と聞きたくなる。

また、世界の支配者となる物語にするならこの映画は前日譚に過ぎないという点は問題だ。面白そうな映像はまさかのエンドロールで繰り広げられるという残念さ。
もともと劇中でも「支配者になる」というくせにこの町にしか手をださないから随分ちまちましているなと思っていたら、そのまんま映画は終わってしまった・・・嘘だろ・
せっかく、飛行機墜落とか面白くなってきたなというところでこれはひどい。視聴者への裏切りと評価しても申し分ない。

変なマントをつけて空に滞空くるというかっこいい演出すら無駄になる設定で悲しかった。せっかく目のデザインとか光るものもあったのに残念だ。

エンドロールのシーンこそをぜひ長編化してほしくなる珍しい一本。

2020.5.11
kirito

kirito