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ギレルモ・デル・トロのピノッキオのjomdのレビュー・感想・評価

3.9
え、そんなにみんなピノキオ好きなの!?と驚くくらいに映画化されているピノキオ
本作もご多聞に漏れずピノキオの映画であるため、好きな監督の一人デルトロがやるとしても「またピノキオかよ」と捻くれてしまった。

が、見始めてからガッチリハートを掴まれてしまい終わるまで画面から目が離せず気づいたら泣いてるしまつだった。

大前提としてゼペットとピノキオの関係、悪い大人の甘い言葉に乗ってしまい酷い目に遭う、鯨に食われて脱出するという流れはある。
ただ、今回はそこに戦争について、デルトロだからできる死生観についてや異形に対する要素が加わっており他作品にはない奥深さと面白さに溢れていた。

ゼペットが深く悲しみ狂気にかられてピノキオを作るシーンはフランケンシュタインのようであった。あと神である姉妹の造形や死後の世界で働いてるウサギの造形も彼だからできる代物だと思う。

父子関係についても、権力を振るうもの・子供にあたってしまうもの・自分の理想を押し付けてしまうものなど描かれている。

ラスト、多くの出来事を経て彼らが交わす言葉や結末の優しくも儚い描かれ方はグッと来てしまった。
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