レオン

ギレルモ・デル・トロのピノッキオのレオンのレビュー・感想・評価

3.4
鑑賞後のチェックで、ミニチェアをコマ撮りしての実写と知り、驚愕した。
制作時のドキュメンタリー映像も Netflix では配信していて、ピノキオの顔だけでも何十種類も作成し、作品完成まで15年も費やした事など、その労力に敬服。

冒頭の父子の描写は素晴らしかった。
何気ない日常だが、この親子がどれだけお互いを大切に思っているかが伝わり、下手な役者よりよほど感情移入出来た。

が、ピノッキオが誕生してからは、大人に翻弄されるも、
"無邪気な3歳児の冒険" にしか見えず、退屈を感じ出し、巨大魚に飲み込まれる展開ぐらいには、ありふれファンタジーに見え、すごく冗長に感じる。

一部ミュージカル仕立てになるのも、マイナス。 ミュージカルはそのシーンの "楽曲そのもの" が素晴らしくないと感動は増さない。

ラストは、取って付けた様なサプライズはなく、自然だったが、予想通りの内容で、「長編アニメ映画賞」受賞という金看板ほどの感動はなし。

まあアカデミーは、よくこれほど労を尽くして作品を完成させたな、という労いの意味も込めての選出と思う。

私的には、エンタメ的シーンを排除して、ピノキオが精神的に成長する様を描いた方が、より素晴らしい作品になったのではないかと、惜しく感じた。
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