SAKA

ギレルモ・デル・トロのピノッキオのSAKAのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

いかにもギレルモな寓話的な内容と並行して視覚情報として『ピノッキオ』という題材はストップモーション向きだと素直に思った。

木の人形と人間を絵で描き分けようとした時、その材質の違いまで描きこむことは難しいがストップモーションなら材質のレベルで違いを出せる。なるほど木に合わせちゃうのねという。

材質レベルで異なることが映像から実感できるからこそ、ピノッキオの異質さが際立つ。
それ故に、彼が迫害されたり物珍しがられる理由も、人間になりたいという夢も切実に伝わる。
ブラックファンタジー的なテイストで政治的風刺を含んでいる点も、ディズニー版よりも原作に近いそうで、子供に見せるには難解だが大人も子供も楽しめる作品まで昇華されているように感じた。
ラスト10分の命に関する描画もオチとして美しい。
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