クマシバ

ギレルモ・デル・トロのピノッキオのクマシバのレビュー・感想・評価

4.5
原作は読んだことがあったが子供の頃から家にディズニー好きがおらず、有名なディズニー版ピノッキオを観たことがない。映像を比較することはできないがデルトロ版はキャラデザや造形がまず好きすぎて惹き込まれた。CGかと見紛うばかり!これがストップモーションアニメとは…

映画で泣かす場面になると「この程度で泣かん!」と頑張ってしまう習性があるにも関わらず、ゼペットと息子のカルロがお別れになるまでの流れでもう泣かされる。おじいちゃんが酒浸りの自暴自棄になって墓に寄り添い続けてるとか泣くわコレ…
で、カルロが最後に見つけた松ぼっくりから生えた木を酔いに任せて切り倒し、木の人形を作り出したらそいつが動き出し!?というわりと絵面だけだとホラーなシーン。こういうところもいいなあ。
子供全開で奔放なピノッキオに手を焼いてるうちに街の人々に罵られとんでもない借金を背負い深海魚に飲み込まれ…と全編おじいちゃんが可哀想すぎる感じがあるのだがピノッキオの純粋さがラストで最高潮になるのでハラハラしつつも楽しんで観られた。
あと子供たちに大人気のピノッキオが戦争を応援する羽目になるの、国債を宣伝させられたキャプテン・アメリカみたいだなと思った。

とにかく雰囲気が良いしピノッキオからクリケットから死者を運ぶ兎や死の精霊まで独特のデザインが本当にデルトロ作品っぽい感じで最高。できればフィギュアが欲しいくらい。
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