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ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!のkuuのレビュー・感想・評価

3.6
『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』
原題 Bill & Ted Face the Music.
映倫区分 G.
製作年 2020年。上映時間 91分。

キアヌ・リーブスが若かりし日に主演し、ロックスターにあこがれる高校生のビルとテッドが時空を超えた冒険を繰り広げる姿を描いたコメディ
『ビルとテッドの大冒険』のシリーズ第3作目。
前作から29年ぶりの新作となった今作では、主演のリーブスとアレックス・ウィンターの2人が、ミュージシャンになった大人のいまも少年の心を忘れないビルとテッドを三度演じ、タイムマシンで新たな冒険に出る姿を描く。
嗚呼、キアヌ・リーブスのあの肥満腹は見なくなかったが。。。
監督はディーン・パリソット。
ハマったドラマ『ユニークライフ』の主人公の妹役だった ブリジット・ランディ=ペインが、ビルの娘さん役で出てて、個人的に嬉しかったかな。
また、残念なことに小生がこよなく愛するギタリストの故ヴァン・ヘイレンは今作品のカメオ出演オファーが入っていましたが闘病中のために出演を見送ったとか。
あと、ラッパーのキッド・カディや、『フー・ファイターズ』のデイブ・グロールがカメオ出演してました。
『アーケイド・ファイア』のウィン・バトラーもノンクレジットで友情出演をしてます。

自分たちの音楽が将来世界を救うと予言されたビルとテッドは、曲作りに励み、その時を待ち続けて早30年。
人気も年月とともに落ち込み、いまや応援してくれるのは家族だけだった。
そんな彼らのもとに未来からの使者が現れ、時空の歪みによって人類滅亡まであと77分25秒しかないという驚きべき事実を伝える。
(登場人物たちが宇宙を救うのに77分あると云われた時点で、実際も77分の放送時間が残されてた。つまり、映画の出来事はリアルタイムで起こる。)
ビルとテッドは世界の消滅を防ぐため、そして『世界を救う音楽』を完成させるため、伝説のミュージシャンを集めて史上最強のバンドを結成しようと、過去や未来を駆け巡る。

今作品では過去のミュージシャンを集めてくる場面があった。
トランペッターはルイ・アームストロング、
ギターリストジミーヘンドリクス、
ピアニストはモーツァルト、
横笛奏者は伝説のリン・ルン、
ドラマーは太鼓腹のグロム、
ベーシストは“死神” グリム・リーパー。
何やねん。
個人的にミュージシャンを集めるとしたら、
トランペッターはルイ・アームストロングで良いとして、
ギタリストはイングヴェイ・j・マルムスティーン、
ピアニストはやはりバッハかベートーベン、
横笛は酔八仙(酔拳)の一人横笛を持ちつつ攻撃する韓湘子、
ドラマーはコージー・パウエル、
ベーシストはビリー・シーン
って、メタルバンドになっちまった。
って横路それまくりましたが、今作品のプロットは、歳老いたビルとテッドが、世界を革命的に変える曲を発見するために、今もなお挑戦を続けているというモンでした。
もちのろん、人生には期待されるような成功はなく、彼らの結婚は崩壊寸前であるように見える。
未来からの訪問者は、またしても二人を時空を超えた冒険へと突き進ませる。
今回は、彼らの娘たちも登場し、怠け者だが愛すべきロッカーとして、ジャムセッションと世界を救おうとする姿を描いている。
最もスマートな映画ではないけど、年老いたロッカーたちの奇抜な悪ふざけを微笑ましく思わないわけにはいかない(個人的にはやけど)。
ストーリーは革命的とは云い難いけど、今作品は純粋な心を持ったノスタルジーに満ちた過去からの爆発としては成功はしてるかな。過去のプロットを呼び起こすような形で、常に照らしてるけど、それでも怠慢さやくだらなさを全く感じさせない。
(まぁあくまでもこのシリーズが嵌まった人ならばですが)
おそらく笑顔になれるかな。
現在の社会情勢を鑑みるなら、それ自体が嬉しいことちゃうかな。
個人的には、今作品はとても面白いものやと思いました。
決して頭で考えるようなものではないし、また、決して高尚なユーモアやとは云えないけど、決してそうであろうとはしていないバカバカしさが、善かった。
今作品は、ビルとテッドの方程式にのっとり、家族で楽しめるコメディで、そのバカバカしさを受け入れる準備ができている人たちを楽しませてくれると思います。
おバカな、また、チョイとしたロックな、そして互いを愛する。そのすべてを、笑いの絶えないバカバカしい時間の旅に包んで、踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら楽しまない手はないかな。
演技の面では、キアヌ・リーブスとアレックス・ウィンターが、『ワイルド・スタリオンズ』で歳老いたロッカーを演じるという象徴的な役を、手を抜くことなく演じている。
二人ともオスカーに値するとは、全く云えませんが、この役柄に心血を注ぎ、このキャラが元々持っていた愛らしさを取り戻してると感じました。
確かに年齢は上ですが、この二人はビルとテッドを最初にこれほど素晴らしいキャラにした要素に忠実であることに成功した。
しかし、驚いたのは、二人の娘を演じた二人の若い女優、
サマラ・ウィービングとブリジット・ランディ・ペインでした。
この二人は、キャラの性格や物腰を見事に表現し、ロックスターの娘として絶対的に信じられるような演技やったかな。
また、二人ともセリフがうまいので、ビルとテッドと同じように楽しい(バカバカしい)冒険描けてた。
もちろん、小生は今作品を楽しんだけど、完璧とは程遠いものでもあったんは確かかな。
何故なら、今作品は、非常に定型的で、予想しやすいものやった。物語を推し進めるために、絶対にノスタルジアの方式に大きく依存しており、一部の人からは怠惰であるとみなされる可能性があるかな。
ビル&テッドは、おバカさんたちが集まって、情熱を持って仲間を思いやり、変化をもたらすという、軽快で愛すべきシリーズであることは、その根底にいつもある。
そう、今作品はおふざけが多く、ばかばかしく、時に非常に予測しやすい。
しかし、心温まるものであり、ノスタルジーを十分に感じさせてくれるものであると同時に、これまでと同様にキャラを愛すべき存在にしてくれるものでもあると思います。
個人的には楽しくて、ずっと笑ってました。
kuu

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